おはようございます。岬隼人です。
今回は、日本人の貯蓄額の歴史と、最近の実情について、書いていきます。
【日本人は貯蓄好きの民族】
日本人は、世界的に貯蓄好きの民族と、言われています。
決定的な理由はわかっていませんが、おそらく、農耕民族を祖先に持つために、
災害や、飢饉の対策のための、備蓄を備えることが、遺伝子に組み込まれているから、
とも言われています。
何かを貯めることが、とても好きなので、コレクターが多かったり、
貯金好きな人が多いのかも、そういった理由からかもしれませんね。
勝ち組からすれば、資産運用や、お金の知識に疎いために貯金しか知らないから、だとも言われています。
しかし、格差社会が、拡大している現代においては、貯蓄がゼロである世帯が、
急激に増えているのです。
これは、貯蓄をしなくなったのではなく、単純に生活苦で、貯蓄ができなくなったことは、容易に想像できるでしょう。
つまり、貯金したくてしたくて、たまらないはずなのに、お金がなくて、
貯金できない人が、どんどん増えているのです。
【貯蓄ゼロ世帯は4つに1つにまで広がった】
貯蓄ゼロの世帯は、2005年には25%に、匹敵する勢いまで上昇しました。
今では30%まで、到達している情報もあります。
貯蓄ゼロ世帯数だけでなく、就学援助世帯の増加、生活保護世帯の増加も、
如実に表れています。
特に高いのは、貯蓄ゼロ世帯の25%です。
これは、100人に25人近く(最近では30人)が、貯蓄ゼロというわけですから、
全世帯の4つに1つは、貯蓄がゼロになっている、ということです。
貯蓄ゼロになった理由は、いろいろある、という専門家もいます。
貯蓄から投資に、お金が回ってきたので、貯蓄は減ったが、
その分のお金を、投資に回しているだけなので、全体的なお金の量は変わっていない、
という説明です。
確かに21世紀になって、株やFXなどの投資をする人が、多くなりました。
しかし、そんなに多いでしょうか?
そんなに大金を、投資に回しているのでしょうか?
試しに、あなたの周りの人に、聞いてみてください
「貯蓄を崩して投資にまわしている?」 と。
おそらくほとんどの人が、NOと答えるでしょう。
そして、こう付け加えるはずです。
「貯蓄は生活費に崩しているだけ、投資する余裕なんてないよ」 と。
そう、ほとんどの世帯で、生活は苦しくなっているのです。彼らは、
投資するために、貯蓄を崩したわけではなく、生活費が足りなくなったから、
貯蓄を取り崩しただけなのです。
ではどれだけ生活費に、困っているでしょうか。
【貯蓄ゼロの理由は支出の増加】
- 賃金の減少
21世紀になって、大企業はリストラによる、人件費削減を、
スムーズに行うことができました。
なぜなら、大企業の利益を守ろうする政府が、後押しをしてくれたからです。
また労働者にも、リストラなどの突然の解雇に対する知識や、経験がないことも、
災いしてほとんどの人が、会社に言われるままにリストラされました。
そのため、比較的問題も起こらずに、リストラをすることができ、
残った社員の給料を、削減したり、非正規社員への転換も、簡単に行えました。
このことにより、ほとんどの世帯では、賃金は上昇どころか、
減少しました。
【支出が増加したら、貯蓄を崩すしかなくなる。】
しかし、世界的なインフレの影響を受けて、家庭の支出は、どんどん増加していきます。
賃金が減少し、支出が増加すれば、当然家計が赤字になるでしょう。
そうしたらもう、貯蓄を切り崩すしかありません。
こうして生活が、苦しくなっていくので、貯蓄を切り崩すしか無くなり、
貯蓄ゼロの世帯が、どんどん増加しているのです。
【それなのになぜ平均貯蓄額が1,600万円なのか?】
現在は、4世帯に1世帯、もしかしたら3世帯に1世帯が、貯蓄ゼロになり、
ギリギリの生活をしていることになります。
しかし、別の統計では、日本人世帯の平均貯蓄額は1,400万円とも1,600万円とも、
言われています。
あなたの家庭には、これと同じくらいの貯蓄があるでしょうか・・・
もちろん、ある人もいるでしょうが、無い人が多数のはずです。
これは、なぜでしょうか・・・それは平均という算出方法の盲点が、原因です。
平均の算出法は、簡単ですね。すべての数字を、合計した数を、
合算した数で、割ればいいのです。
では、仮に1億円もっている人が1人いて、残りの9人が、貯蓄ゼロの場合、
平均はいくらになるでしょうか?
(1億円+0+0+・・・+0)/10人 = 1,000万円 となります。
なんと、貯蓄ゼロの人が9人もいるのに、平均は1,000万円にもなってしまうのです。
これが、平均の落とし穴なのです。
かなりの世帯が、貯蓄ゼロでも、1人だけとんでもない額の、貯蓄をもっていれば、
平均が底上げされてしまうのです。
このように、今の日本では、一部の勝ち組が何億、何十億円もの資産を、
保有しているので、例え貯蓄ゼロ世帯が増えようとも、平均は、
1000万円を超えている結果に、なってしまいます。ハッキリ言って、
平均という数値ほど、あてにならないものはありません。
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